2025年11月16日(日)西那須野教会礼拝説教文 説教者:山口能子姉
説教題:『ひかり(Valo)の中の活動』 聖書:ヨハネによる福音書 8:12
みなさま、こんにちは。
本日は「エルムサンデー」にこのような場をいただき、心から感謝いたします。
1.クリスチャンになったきっかけ
私は、鎌倉という古都で生まれ育ちました。周りにはお寺や神社が多く、日常の風景の中に歴史や文化を感じるような町です。そんな私が初めて教会の扉を開いたのは、中学生の頃でした。きっかけは、とても単純で「ステンドグラスを見てみたい」という気持ちでした。
教会に入ると、外の光が色とりどりのガラスを透して礼拝堂に差し込んでいました。その美しい光景に心を動かされました。そして、そこで出会った人たちが温かく迎えてくれ、礼拝や聖書の学びに自然と惹かれていきました。中学2年生の時、私は受洗し、クリスチャンとして歩み始めました。
その後、高校生の時には地元の教会で日曜学校のお手伝いをしました。小さな子どもたちと一緒に賛美歌を歌い、聖書のお話を語る時間は、私にとって「人と関わる喜び」を実感する大切な体験でした。
2.アジア学院との出会い
そうした経験がつながり、栃木県にある「アジア学院」でボランティアをする機会を得ました。私は農作業を手伝いながら、アジアやアフリカから来た仲間と共に暮らしながら、たくさんの学びがありました。そこでは、言葉や文化が違っても、笑顔や歌、食卓を囲む時間を通して心がつながることは大きな喜びでした。
「違いは壁ではなく、豊かさになる」。このことを実感できた日々でした。そして、この体験は、後の私の働き方に大きな影響を与えてくれました。
3.Valoでの活動
その後、ご縁あってエルム福祉会に勤めることになり、現在は児童クラブ「ヴァロ」で働いています。Valoはフィンランド語で「ひかり」を意味します。
活動を始めた当初は30名ほどの子どもたちと小さな規模でのスタートでした。それから7年が経ち、今では60名の子どもたちが集う場所になりました。今年3月には新しい建物に移り、新たなスタートを切ることができました。
Valoの特徴は、国際色の豊かさにあります。数名の外国籍スタッフと共に働いており、子どもたちは日常の中で自然に異文化に触れることができます。たとえば、英語で一緒にゲームをしたり、違う国の料理を紹介してもらったり。子どもたちは遊びの中で世界に触れ、多角的に物事を見られる力を育んでいます。
ある時、Valoの子どもが下校中に外国人を見かけ、なんの躊躇もなく気軽に「ハロー!」と話しかけていました。別の子は、外国人スタッフと共に英語でゲームを楽しむ姿を見ると、子どもたちの中に未来へつながる光が芽生えているのを感じます。
4.今後の展望
Valoの7年間を振り返ると、一つ一つが導かれてきた歩みだったと感じます。子どもたちの笑顔、共に働くスタッフとの出会い、そして新しい建物に移ることができたこと。すべてが神様からの恵みであり、また多くの方々の支えによるものです。
これからも、子どもたちと共に「光に包まれながら」歩んでいきたいと思っています。Valoという場所が、子どもたち一人ひとりが自分の光を輝かせるための舞台となり、その光がやがて地域や世界に広がっていく――そんな未来を願っています。
振り返れば、鎌倉でステンドグラスの光に魅せられた中学生の私から、アジア学院で世界の仲間と共に学んだ日々、そしてValoで子どもたちと過ごす今までの歩みは、一筋の「ひかり」に導かれてきたように思います。
これからもその光を信じ、子どもたちと共に分かち合いながら歩みを進めていきたいです。
本日はありがとうございました。
5.お祈り
天におられる私たちの父よ、いつも私たちに光を当て、温かく見守ってくださりありがとうございます。子どもたちの笑顔を守り、共に時間を共有できることはあなたの限りない愛とお恵みがあるからです。また、私たちの主なる神様が用意してくださる道を常に受入れ、これからも児童、保護者、職員、地域の方々と共に歩んでいくことができますようお導きください。